大好きなんです【短編集】



「え、何、怖いで」



身体をこわばらせると、章斗はゆっくりと座り、後ろからうちを抱きしめてきた。


足はしっかり伸ばしてこたつの中。


急に抱きしめられて、思考回路がストップする。



「ちょ、章斗。

動きにくいんじゃけどっ」


「んー、でもこっちのが暖かいし」


「そんなん言って...」


「まあ、それはただの口実。

ほんまはくっつきたかっただけじゃけどな」



そして、いつもの笑顔。


うちやっぱり、この笑顔には弱い。


おとなしく後ろから抱きしめられてることにした。


無駄に章斗と近くて体温が上がるから、身体を温めるにはちょうど良いかも。