大好きなんです【短編集】



少しだけ間があいて、千晶が口を開いた。



「あー...もしかしてそれ、相沢莉久(あいさわりく)のこと?」


「相沢、莉久?」



聞いたことないんだけど。



「ほら、あそこの席に座ってる奴」


「えっ、同じクラス!?」


「かよ、そろそろクラスメイトの名前くらい覚えなって」



呆れたように言われる。


でも、まさかあの地味男が同じクラスだったなんて。


全然知らなかった...