大好きなんです【短編集】



「坂本、ごめんなさい」



私の突然の謝罪に、坂本は目をぱちくりさせる。



「いつも自分勝手で、ワガママで。

坂本を困らせてること、分かってるわ。

ごめんなさい」



ちゃんと目を見て言えた。


こんなに人にちゃんと謝ったのって、初めてかもしれない。


そんなことを思いながら、坂本を見ると。


口をあんぐり開けて、目を丸くして、なんて言うか...


マヌケ顔。



「何よ、その顔」


「い、いえ。

まさかお嬢様がそんな素直に謝罪してくださるなんて...。

私、感動でございます」


「貴方の中での私って、そんなにひねくれた女なのね」


「いえ、別にそういうことでは」