大好きなんです【短編集】



坂本は小さく息をはいた。



「でも...私も申し訳ございませんでした。

お嬢様の傍にお仕えできなくて」


「それはっ、」


「私、執事失格でございます」



明らかに落ち込んだ顔の坂本。


執事失格なんて、全然そんなこと思ってない。


元はといえば、私が全部悪かったのよね。


謝らなくちゃ。


ゆっくりと、口を開く。