大好きなんです【短編集】



「お嬢様!!!」


「ぁ、」



暗い中、聞き覚えのある声で黒いシルエットが走ってくるのが見えた。


あれってもしかして...



「坂本!?」



そのシルエットはだんだん私に近づいてきて、そして私の目の前に立った。



「お嬢様...っ、はぁっ」


「坂本、あの、私...」



何て言ったら良いのか分からなくて、視線を泳がせていると。



「え、ちょ、坂本っ?」



急に坂本に抱きしめられた。


びっくりして言葉が出てこない。