靴箱から見える外の空は、だいぶ薄暗くなっていた。



「じゃあ、気をつけて。

なるべく急いで帰りなよ?」


「ありがとうございました」



手を振ってくれている先生に背を向けて、校門へと歩き出す。


でも、どうしても胸の奥に切なさが残って。


足を止めて、振り返った。



「先生、一つだけ質問しても良いですか」


「ん? 数学のこと?」


「私の気持ちに、気づいてますか」



好きです、先生。









END.。.:*♡