大好きなんです【短編集】



そして、放課後。


職員室の前で、深く息を吸う。


あー、緊張しすぎておかしくなりそう。



「...よしっ」



意を決して、職員室のドアを開ける。



「失礼します」



職員室の中は、ひんやりとした空気が流れていた。


きょろきょろと周りを見回すと、奥のほうでパソコンに向かっている榎沢先生を見つけた。


邪魔にならないように、そーっと近づいていく。



「あの、榎沢先生」


「あ、来た来た。待ってたよ」



そんな笑顔されたら心臓が耐え切れません先生...!


私は生きてここから出れるのかな。



「じゃあ早速しようか」



私の為に、隣にあった椅子を引いてくれる。


その椅子に座って、ノートや筆記用具を取り出す。