大好きなんです【短編集】



あー、居心地良すぎてこのまま寝れそう...


と思って目を閉じた時。


コンコン、とドアがノックされてお母さんが入ってきた。


その瞬間、大翔があたしの身体を引き離して、姿勢を正す。



「お邪魔してごめんね〜。

ケーキを持ってきたから、ここに置いとくわね」


「わざわざありがとうございます!」


「いえいえ。じゃあごゆっくり」



パタン、とドアが閉まってお母さんが出て行くと、さっきまでの大翔に戻る。



「はぁ、焦った」


「はぁ、じゃないし!

せっかく良い雰囲気だったのにさあ」



拗ねて大翔を睨むと、小さい子をあやすように頭を撫でられる。


大翔はいつも余裕そうで悔しいな。


たまには、あたしがリードしてみたい。