だが、翔くんがアメリカに旅立ってから落ち込んでいるのはわたしだけではなかった
「はぁ…」
「美咲はまだいいとして、輝があんなに落ち込んでいる意味が分かんない」
わたしと同じように机に突っ伏しながらため息を吐く輝に、聖美は心底気持ちが悪いものを見てるような目つきで輝を見ていた
仕方ないよ、聖美
輝もわたしと負けじに翔くんのこと大好きだもん
まぁ、そうはいってもわたしのほうが翔くんのこと何百倍も好きって自信はあるし、翔くんだってわたしのこと好きなんですけどね
誰にも見られていないがどやっと口角を上げたものの、それでも気分は晴れなかった
はぁー、どうすればいいものか
翔くんが帰ってくるまで三か月…長いなぁ…
しかも8月に帰ってくるってことは、今年の夏休み、翔くんはいないのかぁー
…ん?
「そうか!!」
勢いよく椅子から立ち上がると、大声を出したせいで教室中の生徒の視線が一斉にこっちに向いてきた
「ど、どうしたの、美咲?」
「んふふー、いいこと思いついちゃった」
「うわっ…嫌な予感しかしないよ…」
待っててね、翔くん
愛しのあなたの美咲ともうすぐ会えますよ