今朝からナマケモノのように翔くんにひっついているわたしを何度も引きはがそうとしても、途中でぐずるわたしに根負けしてきた翔くんだがついにこの時が来てしまった
あぁいやだ、出来ることならわたしも連れて行ってほしい
でもわたしは学校に行かなきゃいけないし、巧叔父さんにもあんなこと言われてしまったんだから、ここは設楽の妻らしく、気丈な振る舞いで翔くんを見送らなければいけないのに
心がそれを拒否しまくる
さすがに困り果てたのか翔くんが深いため息を吐く音が聞こえ、胸がドキッとなった
翔くんを困らせてはいけない、困らせてはいけないのに…
体が言うことを聞かない
翔くんから離れたくない
もう自分で自分自身を制御できなくなってきて、どうすればいいのかわからなくなった時、後ろから両脇を抱えられ、無理やり翔くんから引っぺがされた
突然翔くんの温もりがなくなり、元の場所に戻せーとジタバタと手足を動かしていると、頭上から大きな咳払いが聞こえてきた
上を見上げると、亀谷さんが冷ややかな目でわたしを見ていた
いや、決してそんな感じでわたしを見ているわけではないんだけど、下から見上げているせいかそう見えてしまう
「翔様、今のうちに早くゲートに向かってください。美咲様はわたしがなんとかしますから」
「!!」
その言葉でわたしを更に手足を激しくジタバタさせたが、わたしの両脇を抱える亀谷さんの腕が微動だにしない
くっ、こいつやりおる!!

