「つまりお前は今回のやつのアメリカ行きをキャンセルしろとでも言いだすのか」
「そんなことは言ってないデスヨ。ブラザーにあんなに必死に頼み込んだのに、いまさらキャンセルなんて、本気で泣きマス」
「なら文句を言われる筋合いはない。大体お前たちはあの娘に甘すぎる。特にキャシー、お前はいつも勝手にこの部屋に通す。菓子が欲しいなら、それだけ貰い、とっとと追い返せばいいものの…」
「追い返すなんてそんな失礼なこと出来マセン。何故なら美咲はマイフレンド、無条件で優しくしてしまうのは当たり前のことデス。それにボスだって人のこと言えませんよ」
「なんのことだ?」
「今回のカケルのアメリカ行き、本来なら一年のところを三か月という短い期間に変更したことデスヨ。ボスだって美咲が長い間ションボリしてるとこ見たくないからそんなことしたんデスヨね?」
キャシーの言葉が図星だったのか、巧はわざとらしく大きく咳を吐いた
「もうボスったら、本当にツンデレさんなんデスカラー」
「その言い方だけはやめろ」
*
*
そして翔くんがアメリカに旅立ってしまう前の一か月間の間、わたしと翔くん、そして巧叔父さんの攻防戦が繰り広げられていたが、努力の甲斐虚しく、ついにこの日が来てしまった
「…美咲」
「…………」
「……美咲」
「…………………」
「そろそろ飛行機の搭乗時間だから放してくれたらありがたいのだが…」
その言葉でわたしはぎゅっと翔くんに抱きついた腕の力を強めた

