「え、アメリカ!?」






わたしがその話を聞いたのは今から一か月ぐらい前だった





いつものように少し遅めに帰宅した翔くんをお出迎えして、二人で寝室に向かい、さぁこれから翔くんとのいちゃいちゃタイムよと張り切った矢先に出たその話にわたしは口を開けたまま固まってしまった





そんなわたしに気付かず、ネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外していく翔くんは話を続ける







「まぁ留学といってもほんの三か月程度の短いものだ。8月には帰ってこられる」






さ、三か月も翔くんと離れ離れに…





それを想像しただけで血の気がさーっと引いたのがわかった






「…美咲?」






部屋着に着替え終わり、やっとわたしの異変に気付いた翔くんが顔を覗かせてきた





眉をひそめて心配そうにわたしを見る姿もとっても素敵…じゃなくて!!







「うわっ!!」







わたしは翔くんの体に抱きつき、ぴーったりとくっつきながら、屋敷中に聞こえるほどの声で大きく叫んだ








「翔くんと離れるなんて、絶対に嫌あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」