「はぁ…」
締め付けるような胸の痛みを少しでも和らげるためにため息を吐いてみたが、まったく効果がない
本当に救いようのない男だな、俺は
そうしてもう一度大きくため息を吐いた
そんな翔の様子を遠くからこっそりと観察していた人物がいた
天音輝だった
この当時、まだ翔に敵意丸出しだった輝は彼のあとを追うように生徒会役員へとなり、今日も後ろからこっそりと翔の後をつけていた
いつも翔の後をつけていた輝は、今日の翔がいつもの様子とはだいぶ違うということはとうに気づいた
原因は確実に翔の婚約者である少女、花菱美咲であるということはわかっている
実はここ最近、輝も彼女に好意を抱き始めているということに薄々気づいてきてはいたが、今はそんなことどうでもいい

