いままでずーっと翔くんと結婚するんだって夢見てて、翔くん以上の人なんて絶対にいないってずっと思ってた
いまでもたぶんその考えは変わってない
まさかこんなことになるなんて夢にも思っていなかったから、自分がいったい男性が好みなのかもイマイチよくわかっていない
翔くんが全てだった
でも、その考えを改める時が、今この時ってことぐらいは痛いぐらいわかる
躍起になって今すぐ翔くんを諦めるなんてことは出来ないけど、少しずつ変わらなければいけないのだ
今までのように必死に翔くんの後姿を追いかけるだけの自分のままではダメなのだ
破片だらけの心がなんだっていうんだ
心の傷は女の成長の証だってどっかで聞いたことあるし、傷つくことを怖がっていたら何も始まらないわ
自分に喝を入れなおしたわたしは、フライングで少しだけ溢れ出てきた涙をぬぐった
「そうだね、聖美。今は無理でも、いつかまた運命の相手が見つかるかもしれないもんね」
「なんとか立ち直ってくれてよかったー。そうだよ、わたしたちまだ中学生なんだから、もっと余裕もっていこうよ。そんでもって小腹が空いたので、今日は美咲のおごりでケーキを食べたいと思います」
「お、おう…。まぁ、色々と迷惑をかけましたので、そのぐらいならおごらせてもらいます」
「その言葉忘れないでよね。今日行くカフェはなんと先日雑誌でも紹介された日本初上陸のチョコレートケーキが食べられるあの店なのです!!」
「ちょっと待って!!そこめっちゃ高いとこじゃん!!さっきの言葉、キャンセルで!!」
「受け付けておりませーん…あ」
いつもの調子で二人で会話をしながら教室を出ると、聖美が突然動きを止めた
急にどうしたんだろうと、聖美の視線を追ってみると、息が止まった

