翔くんと見知らぬ美女のキスシーンを目撃してからもう一か月が過ぎた




幼い頃から運命の相手だと思っていた翔くんが自分以外の人とキスをしていたことに相当なダメージを食らったわたしは、最初の一週間はただ単純に悲しくて、泣き明かし




次の一週間は、やっぱり翔くんはわたしのことなんて好きじゃなかったんだと、虚しくなり




そのまた次の一週間は、もう翔くんのことは忘れようと決意し




そして、今、必死に翔くんのことが嫌いだと言い聞かせているのだが





「やっぱり、無理だよぉぉぉ。翔くん、超好きだよぉぉぉ」




早くも挫折しそうです




どんなに頑張っても翔くんへの想いが止まらない




確かに翔くんへの恋心は音を立てて粉々に砕けたが、まだ砕けた恋心の破片がわたしの中に普通に残ってる




砕けただけだからね、砕け『散った』わけじゃないからね




だが、破片になった恋心がわたしの中に突き刺さり、余計に苦しめてくる





「…というか、そんな今すぐじゃなくてもよくない?時間が経てば自然に」




「消滅しない!!!」




「お、おう…」