足音一つがも聞こえない、静かな歩きだった。

 ルイ達は、暫く固まっていた。

「ちょっと、着替え、置いてくる。」

 そう言って、ルイは部屋を後にした。

 彼女は一体、何を考えているのだろう。

「おい、入るぞ…って、まだ風呂入ってなかったのか。」

 脱衣所で、彼女はうずくまっていた。

 体は酷く震えていて、きっと寒いのだろう。

「ほら、風呂入れって。風邪引くぞ。着替えはここに置いておく。」

「やだ。」

「お前なぁ…。」

「ルイ、仲間に入れてくれる?」

「は?なんで、俺の名前…」

「建物から聞こえてきた。」
 
 あの距離から聞こえるだなんて耳が良すぎる。