服もボロボロ。

 一体何があったと言うのだろう。
 
「中に、入れてもらえますか?」

 今にもその声は綺麗でいて、今にも消え入りそうな声だった。

 あ、濡れていたんだっけ。

 ルイは慌てたように女を中へ入れた。

 危険人物として、一様警戒はしている。

 ずぶ濡れのまま、外に放っておくわけにもいかない。

「どーぞー。」

 リクが明るい声でそう言った。

 女は軽くお辞儀をしてから、中へ入ってきた。

 礼儀はちゃんとしているらしい。

 とりあえず、タオルを着せる。

「まぁ、その格好じゃあ寒いだろ。風呂入ってこい。」