奏雨がボソッと呟くと、咲希は不思議そうに奏雨を見上げた。

「奏雨ちゃん、今まで本気出してなかったの!?」

「うん、だからほら、汗一つかいてない。」

「確かに…。って、じゃあ、さっき高く跳んでボールキャッチしたのは?」

「あぁ…あれは普通に出来るよ。」

「奏雨ちゃん、もうそのまま競技大会行けるんじゃ…。」

 咲希がそんな事を呟くと、咲希めがけて蒼のボールがとんできた。

 咲希を庇うように前へ出て、奏雨はそのボールを片手でキャッチし、そのままボールを投げた。

 すると、蒼のボールをキャッチした事に唖然とする相手チームの蒼と他2人にボールが見事ヒット。

「すごっ…トリプルで当てたぞ!」