壊してって……どうすれば良いんだろう。


鏡面を触ってみると、普通の鏡と同じように硬くて冷たい。


「京介、鏡を壊そう!ナニかはそれを望んでる!その為に、私達に欠けた鏡を探させたんだよ!」


もしも原田先生がいなければ、こんな結果にはならなかったかもしれない。


ナニかが求めていた原田先生を手に入れる事が出来て、満足出来たからそう言っただけ。


「お、おう……じゃあ俺がやる!離れてろ!」


そう言って私を壁際に寄せた京介は、鏡をグッと掴んで、そして……。













「や、やめてくれーーーーっ!!」












最後に、原田先生が鏡に手を伸ばして叫んでいるのを見て……鏡は、床に叩き付けられた。


割れた鏡が飛び散り……元々存在しなかった物だからか、破片が黒い煙となって消えて行く。


それと同時に、並べられた鏡に書かれていた赤い数字も、洗い流されたかのように消えて……。


禍々しい気配と冷気もなくなり、元の美術準備室に戻ったのだ。


30年前起こった事故。


それが発端となって、多くの生徒の命を奪った騒動が、やっと終わったんだと、私は影宮さんの頬に手を当てて涙を流した。