「…嬉しかった…」


ぽそっと、返事して
微笑んで彩花ちゃんを見る


まさか、一之瀬くんに
助けてもらえると思わなかったもん…



「可愛いなぁ、千佳っ」



ぎゅっと彩花ちゃんに抱きつかれ
少し戸惑いながらも、


「…彩花ちゃんも、可愛いよ~」



そう言って、抱きしめかえす




「彩花ちゃんっていう
 かわいい友達に出逢えて

 私は幸せ者だよ~」




「もー…、千佳~

 私が男だったら、
 千佳を彼女にしたいっ」


私の言葉に、
少し照れたように笑う彩花ちゃん



「えへへ…、ありがとう

 教室戻ろっか」



お互いに顔を見合って
クスッと笑った












「あ、そういえば来週
 調理実習だよね…」


パンを食べながら、スケジュール帳を
見ていた彩花ちゃんが呟く



「あ、そうだったね…」


「なに作るんだったっけ…

 あっ、パウンドケーキだっけ…?」


指をパチンと鳴らした彩花ちゃんに
うなずいて、私はため息をつく



「…料理、苦手なのに…」