「目、覚めた?」 保険医の白水はゆっくりと起き上がったつばさに気がつき、消毒の作業を止めた。 「貧血で倒れていたのよ?綾瀬さん大丈夫?一人で帰れる?」 ゆっくり頷くとつばさはソファに置いてあるバッグを持ち保健室を後にした。 保健室から歩いていき校門を通ると腐食した桜に微笑みかけ、すっかり暗くなった家路についた。