今日もバスは混雑している。 扉の横にある手すりにすがり、ゆれるバス内から外を眺めていた。 町に出て、郵便局前のバス停で止まった時、窓の向こうにいたその人を見てドキッとした。 いつもは居なかったはずなのに。 ―――――圭太だった。 短髪だった前髪も少し伸びていた。 青いネクタイをした圭太の制服姿がより一層遠く感じた。 窓の向こうにいる圭太は私の存在には気づいていない。 私の声すら届かない。 ただただ愛しさだけが感じてほんの数秒だけ見つめることしか出来なかった。