「「夫婦って言うな!!」」

『おー、こわこわ』



ニヤニヤしながら、私と葵の間に割って入ってきたこいつは、藤堂 春夜(トウドウ シュンヤ)


中学生2年の夏に近所に引っ越してきてから、よく3人で遊ぶようになった。






「朝から仲良しなのは、いいことです。」

「うっせぇ。」

「葵くんそんな冷たく当たらないでっ!


乃亜〜っ、葵くんが冷たい。」





春夜が私の腕に絡みくっついてくる。


私よりも10センチぐらい高い春夜を見上げるのは、首が痛くなる。








「くっつかないでよ!」

「なーに?乃亜まで反抗期?!


もー、早く2人とも成長してよー。」



「お前がな。」

葵が、春夜を引っ張った事で、彼は葵にくっつく事にしたようだ。




葵も、重てぇとか言いながらも受け入れてて、見てて微笑ましい。






「なんか、兄弟みたいだね。」

「それは、どっちがお兄ちゃん?

もちろん、俺だよねっ!!」



ポツリと呟いた言葉をひろった春夜が食いついてくる。







「え………え、それは…。」


ちらっと葵を見ると、いかにも不機嫌そうだ。



眉間に皺がよっていて、ムッとしている。