「遅い。

お前準備に時間かけ過ぎだろ。」



玄関には、お母さんと、葵と葵のお母さんとお父さんが既に居て、待たせたことを申し訳なくなった。



「ごめんなさい。

なかなか納得いかなくて…。」

「いいのよ!

女の子は準備に時間をかけるほど、可愛くなるんだから。」

「そうだね。

乃亜ちゃん、いつもより可愛いね。」



葵のお母さんとお父さんはとても優しい人だ。


嬉しさと、恥ずかしさで頬が緩む。





「ありがとうござい「いつもと変わんなくね?」


私に被せるように、葵が突っかかってくる。




「早く行くぞ。

入学式早々遅刻とか、ありえねぇだろ。」



そう言うと、葵は出て行ってしまう。






私も、合格祝いに買ったローファーを履いて追いかける。