え…?


また、ドアの音。


恐る恐る見てみると、目の前には城谷くん。


私は顔を伏せて泣いていたので、おでこに服の跡がついているのが自分でもわかる。


恥ずかしい。


でも、城谷くんは、何も言わない。


何も言わないで、私の前にしゃがんだ。



「大丈夫じゃねーじゃん。」




そう言って。微笑んだ顔は

外からの木漏れ日とマッチしていて、とても綺麗に見えた。


そう言って彼は、自分の袖で私の涙を拭って、静かに教室をでた。



私は唖然としていて、


いつの間にか涙は止まっていた。


その代わり、私は、心臓がバクバクしていた。