「小咲!起きなさい!!」



んん…


お母さんの声がするなあ…


お布団気持ちいいなあ…


でたくないなあ…



「小咲ー!」


んん…


「小咲!!7時半!!」



え。お母さん、今なんて?


7時半…?


あああわわわわわわわ


遅刻だあああああっ


ガバッて勢いよく起き上がって


私は布団から飛び出した。


「7時半ってほんと!?」


「時計みなさーい」


時計を見てみると…


ほんとに7時半だった


「お母さんなんで起こしてくれなかったのさー」


とお母さんを責めながら制服に着替える私。


お母さんを攻めているけれど、どう考えても悪いのは私。


やっぱり朝は苦手だなあ…


ちゃっちゃと着替えを済ませた私はリビングに向かい、机にあるパンをかじる。


「あんた、ちゃんと座って食べなさいよ」


と言っているお母さんの言葉を軽く無視をして私は支度を始める。


バタバタと支度をしていたら、ふと目につく、1枚の写真。


そこには、楽しそうに笑っている私と─・・・。


「あんた、何ボーっとしてんの?さっさと行きなさい」


というお母さんの声で我に返る。


ああ、やばいやばい、また涙でちゃうとこだった。


パタッと写真をひっくり返して鞄を持って私は学校に向かった。




今日は入学式で、私は今日から高校一年生!


たくさんたくさん友達作るんだ♪


そんなことを考えながら、スキップしていると


バコッと頭を叩かれた。


そんなことするバカはあの子しかいない。


「もー、春ー!!」


ニヒヒっと、満面の笑を見せて


立っていたのは私の親友


杉村 春(すぎむら はる)


「なに、ルンルンしてんの?笑」


ってからかってくる、春。


「大丈夫なのかよ、小咲」


ってあとから、付け足して頭をポンポンってしてくれる。


春は本当に優しい子だ。


「大丈夫だよっ」


って無理矢理笑顔を作って答える。


「バーカっ」


って春は言ってニコッて笑った。


ああ、やっぱり春に作り笑顔は無駄なんだなって思った。


「あとで、話聞いてね、春」



私は小さい声でそう言った。