この時間になると、もう瑠未は眠っている。
そして瑠未は、
夜中に自分以外の兄弟が話し合いをしていることは知らない。
唐突に長男が口を開いた。
「瑠未の彼氏は結婚していた」
「…は?」
「マジかよ」
長男がこのことを何故知っているのかは謎だ。
次男、三男は低い声色で思い思いの言葉を吐く。
「あいつ、男運ねぇなー」
「馬鹿だよね、瑠未」
心配というより、呆れや嘲笑が含まれている二人の言葉。
「だから僕以外はやめとけって言ったのに」
ハァと溜め息を吐く三男。
「妹に何言ってんだよ、てめぇ」
三男が次男を睨む。
「妹とか関係ないし」
「本当、てめぇはイカれてるよな」
「弟にイカれてるとか言うなよ」
「俺にはお前みたいな弟はいねぇ」


