後ろから彼の声が聞こえる。 瑠未はその声を振り払うように、走った。 痛かった。 心が痛かった。 “愛している”という言葉に、 初めて悲しみを感じた。 先ほどいた場所から、 家からはかなり距離があったが徒歩で帰った。 家についた頃にはもう日も暮れてて、 家族も帰ってきていた。 暗い気持ちを誤魔化すように、家族に笑いかけた。 それが逆に不信感を与え、今長男に問い詰められているのである。