ちょっと歩くとすぐについた。

見た目はお世辞でもきれいとは言えないボロアパートだった。

よくよく考えてみると家族がいることにきずいた。


「あっ。やっぱいいよ。今日は帰るね。」

「ここまで来て言うか、ふつう。いーからはいれ。」


家族に会ったらどーしよ。なんて言おう。渡咲くんの友達です。そんな、なれなれしくしちゃだめか。うーん。


「おーい。入んないの?」

「あ。うーんじゃあ。お、おじゃまします!」

「はい。どーぞ。」

「こ、こんばんわ!突然来てすみません!あ、あの!、、、ってあれ?」

「お前何言ってんだ?」

「え?ご家族の方は?」

「いないよ。」

「え!一人暮らし!!」

「そんなおどろく?ふつーじゃね。」


渡咲くんは一人暮らしだった。ちょっとほっとした。でも!!!


「あっーーー!」

「びっくりした。いきなり大声だすなよ。」

「あっ。ごめん。」


考えてみると家族がいないってことはふたりっきり!やばい!

でもどうせ断っても拒否されてしまうし。今日はおとなしくしてよう!


「夜ご飯どーする?」

「私買ってくるから気にしないで。」

「いーよ。つくるから。なんでもいーな。」


なにからなにまで渡咲くんにお世話になってる。

私もなんかしよう!でもすることってなんだろぅ?お風呂そうじとか?


「あの、、、渡咲くん?お風呂ってどこかな?」

「そこのドアでて右だけど。なんで?」

「私なにもしてないから何かしようと思って。」

「いーのに。俺やるよ?」

「ううん。私にやらせて。」

「わかった。ありがとう。じゃあよろしく」


何かすることがあってよかった。何もしなかったらなんかウズウズしちゃうもん。