「ねぇねぇ?1人?」

横を向くと知らないおっさん。

やっ!やばい!!逃げなくちゃ!でも足が動かない。声も出ない。どーしよう!


「柏木!!」

「渡咲くん!」

「いくぞ!」

渡咲くんは手をとって走った。

遠くからさっきのおっさんの声がする。

でも今は渡咲くんのことしか頭に入らない。

ハ ァっハァっ、、、ハァっ。

走っているとき何度も考えてた。

私が彼女だったら。

でも、私が脈ナシなのはわかってる。それでも思ってしまう。

今も、これからも。私には渡咲くんだけ。

そこにちょうどかえる電車がきた。


「渡咲くん。ありがとう。ばいばい!」

いきなり抱きしめられた。

「ばか。いまはかえれねぇだろ」

なんでこんなことするんだろう。
渡咲くんは何を考えているの。

いっきに涙があふれた。

5分ぐらいたったかな。渡咲くんは何も言わずに私を抱きしめてくれていた。


「おちついた?」

「うん。ありがとう。」

「おまえ今日おれのとこ来い。」

そんな急展開。思ってもいなかった。

「えっ大丈夫だよ。かえれるから。」


渡咲くんの家になんていったらどーなるか。

「いーから!」

そう言って渡咲くんは私の手を握り歩いて行った。