『柏木空!!』

今でもあの声が胸の中で響いている。

私は今カフェで待っているのだ。心臓がバクバクとうるさい。

 カラン、カラン

ドアを開ける音とともに振り返ってみるとそこに立っているのはあの男の子だった。

一瞬目が合い、顔がボっと赤くなるのがわかって、急いでむきを戻した。


「おまたせ、まった?」

「ぃゃ、、、。きたばっかです。」


思った以上に声が小さくてビックリ


それからたくさん話をした。名前もわかった。


とさか れん


それが名前だった。

私は渡咲くんと呼ぶことにした。

渡咲くんには、彼女がいた。

同じクラスの女の子だそうだ。

その現実を知り、涙をグッとこらえた。

私たちはメアドを交換した。

彼女がいるのにこんな事していいのだろうか。

どうせ私には叶わないからいいのか。

そんなに私は脈ナシか。

私は逃げるようにカフェをでた。