「転校生を紹介する」


担任の声に教室中が静まり返る。


朝のホームルーム。アンニュイな時間。あたしは窓際の席でお昼寝中。


「転校生の椿龍(つばきりゅう)と申す。質問は一切受け付けない!」


朝っぱらから、怒鳴り声が響き渡り、あたしは不機嫌になった。


「うっさいなー何なの」


「転校生だって。何か凄いね」


親友の野中舞子(のなかまいこ)が怯えている。


「また新学期早々、大変だわ」


あたしはあくびをして頬杖をついた。