「全ての神よ、この若き青年を、そして新たなる旅立ちを祝福したまえ。迷わずにいきなさい。止まらずに進みなさい。己を信じ、今の気持ちを持って、新たなあなたに生まれ変わりなさい」

執行員が手をあげた

ガタン!

一の足元が割れた。

一は目を閉じた。

ひたすらに落ちていく。

まだ落ちていく。

まだまだ落ちていく。

まだまだまだ…

っておい!

目を開けた。

空が見えた。

地面が70メートルは下に見えた

ものすごい人が歓声をあげている

一は真っ逆さまに下に落ちていた。

地面が近づいて衝突すると思った瞬間!

ぼよよ〜ん

上に浮上した。

下から誰かが叫んでいる。
ひよこだ。

「いちくぅ〜ん!」

何がなんだかわからなかった。

「今日は、4月1日、エイプリールフールだよ〜!」

なんだって?

「でもこれだけは本当!けっこん!しよ〜ね〜!!」

わけがわからなかった。

「お前、男なんだろー!」

「ばか〜」

盛大な笑い声がどっとあがった。

「それは男の俺のセリフだろ〜っ!!」

次は歓声と拍手がこだました。

とりあえず、遅刻はしてなかったのかな。薄れる意識の中、一は最後に思った

おぉ、ジーザス。