なんだありゃ?

一は自宅に戻っていた。何やら表がざわざわとしていた。

困った。電話もできない。会社にいかないと。

それからいくつも電話であらゆる人をコールしたが、どれもつながらなかった。

何を思ったか、一はテレビをつけた。

−−今朝、新しく制定された『無断遅刻法』に違反した容疑者一(23)が駅改札口にて警備員が尋問しようとしたところ、銃器を振り回して逃走しました。東京警視庁は、銃をもっており、極めて危険であるとして地域住民の避難を…』−−

一の顔がでかでかとテレビに写っていた。

『うぅ、あの子に朝はきをつけなさいって…』

母さん?!なにこのモザイク、ずれすぎだってば。母親の胸あたりにモザイクがずれていて顔はばればれになっていた。

近くにパトカーが走っている音がした。

まったくわけがわからん。なんだよ新しい法律って。遅刻したらこんなに罰が?てか銃器をもってって何勘違いしてんだよあいつは。。
しかし、逃げよう。と思った。
一はフルフェイスのヘルメットをかぶり、表に飛び出した。
きゃーーー
悲鳴がとびかう!
近寄るな!危ないぞ!

一は表に置いてある愛車、単車のイナズマにまたがりかけぬけた。

入社式を思い出した。

−−この会社に私のイナズマを落としたいと思います!−−

今がその時。わけもわからないが。目指すは世界中で唯一、信じられる女の家だ!

道路にでると、パトカーがいきなり気付いたようだ。地域住民のみなさん、告げ口禁止よ。

目の前をパトカー2台が立ち塞がろうとした。

どうやらパトカーで道を封鎖しようとしているようだ。

「源ちゃんもっと右!」
「オッケー、もうちょい?」
「もうちょい、もうちょい、もうちょい、はいオッケー!」

一はすでにかけねけていた。