「えっと・・・」

「心配ない。右から封魔、龍牙、白鬼、鈴麗、白夜・・・五人共私の仲間だ」

「それで、助けるのはこの三人でいいんだろ?」

「なら、後は脱出するだけだな」


封魔と龍牙と紹介された二人が言う。


「よし、じゃあ・・・」

「待ってくれ」


刹那が力を使おうとした時、風夜が声を上げた。


「どうしたの?風夜」

「脱出する前に、宝珠を取りにいったら駄目か?早く脱出しないとい けないのはわかってるが、次にいつこの国に来れるかわからないからな」

「・・・確かに。で、場所は知ってるのか?」

「ああ、宝珠があるのは、此処から北にある谷だ」


その言葉に神蘭は頷いた。

そして、そのまま地下水路を使って城を脱出すると、街を出て、風夜の言う谷へ向かうことになった。


「「「「「「!!」」」」」」


移動中、何かに気付いた神蘭達が足を止める。


「・・・気付かれたみたいだな」

「えっ!?」


花音達の前で空間が歪み、そこから窮姫と四人の男女が現れる。


(見付かった・・・!)


それに警戒した花音と風夜の前に、神蘭、封魔、龍牙、白鬼、鈴麗が立ち塞がる。


「此処は俺達に任せろ」

「あなた達は宝珠の所へ行ってください」

「千歳、昴、星華は花音達についていけ」

「白夜、お前もだ」


封魔、鈴麗、神蘭、白鬼が言って、斬りかかっていく。


「行くぞ」

「えっ、でも」

「大丈夫ですよ。神蘭様達に任せて行きましょう」



戸惑う花音に星華が言う。そのまま、背を押され、花音は歩き出した。