「えっ?」

「これでよかったんだ。・・・あの窮姫って奴や、一緒にいた四人、実際に力を受けてみてよくわかった。・・・あいつらは本当に危険な奴等だ。火焔達もあまり俺達との間で揺らぐようなら、何をされるかわからない。・・・・・・だから、あれでよかったんだ」

「・・・やっぱり、優しいね」

「はっ?何だよ、いきなり」

「ううん。・・・ただ、三人に冷たくしたのは三人のことを心配してだったんだなぁって」


風夜にそう返すと、彼は少し照れくさそうに視線を逸らした。


「そ、そんなことより、このまま捕まっているわけにはいかないだろ?どうにかして、脱出しないと」

「そうだね。でも・・・、大丈夫。無理に逃げ出そうとしなくても、何とかなるよ。今は、私も風夜も身体を休めとこう」


大臣の言葉を信じるなら、処刑は二日後。だが、それでも何故か大丈夫な気がした。