光の少女Ⅱ【救出編】


「牢の中にはいないみたいだな」


風華達を助け出してから、幾つもの牢を見て見たが、王の姿はない。


「お父様、大丈夫かな?」

「風華ちゃん・・・」

「今日の昼までは一緒にいたんだよな。そもそも、何故急に別の場所に連れていかれたんだ?」

「さあな。だが」

「ああ。父上を置いていくわけにはいかない」

「でも、牢にいないなら、いるのは・・・」


星夢がそう言って、城の中へと続く扉を見た。


「やけに静かだね」


牢から城の中に移動し、花音は呟く。

牢の中とは違い、もう少し人の気配があってもよかったが、誰の気配もなかった。


「ねぇ、あそこ」


城の中庭が見えるところを通り掛かったところで、何かに気付いたらしい星夢が声を上げた。


「誰かいるみたいよ」


その言葉に中庭を見て、風夜、風華、空夜が目を見開く。


「「父上!」」

「お父様!」


三人にはそれが誰なのかわかったらしく、次々と走り出した。


「ちょ、三人共!」

「ピ?ピィ・・・」


そのあとを追おうとした花音だったが、急に怯え出した白亜に足を止める。


「白亜?どうし・・・」

「!?三人共、待って!そっちは!」

「!?来るな!」


震えている白亜に花音が声を掛けた時、星夢と此方に気付いた王の声が重なる。

その直後、王と風夜達の間に窮姫と四人の人物が現れた。