梯子を上ると、其処は風夜が言ったように地下牢へ繋がっていた。

暗い地下牢を出来るだけ気配を消し、慎重に進んでいく。


「ピ?ピぃー!」

「!・・・ちょ、白亜!」


大人しく花音の肩に乗っていた白亜が急に鳴き声を上げ、飛び上がると、少し離れた牢の前に飛んでいってしまう。


「ピィ!ピィ!」

「いきなり、どうしたんだ?」


牢の中に向かって鳴く白亜に、風夜が呟く。


「わからない。・・・それより、白・・・」

「わぁ、可愛い!」

「何故、此処に飛竜の子が・・・」


誰かに気付かれる前に白亜を呼び戻そうとした花音は、中から聞こえてきた声に言葉を止めた。


(この声って!まさか!?)


そう思って、牢の前へ走っていく。

白亜の後ろから牢を覗くと、そこには懐かしい二つの顔があった。