「知っているのか?窮姫が今、何処にいるのか」

「うん。多分」

「奴なら、陰の一族と共に、制圧した風の国にいる」


紫影が答える。


「そうか。向こうの方が、随分と早く目を覚ましてしまったのだな」

「ところで、その窮姫って奴は一体何者なんだ?」

「窮姫は、この世界とはまた違う世界からきた。その世界までは、まだわからないが、奴の背後に誰かがいることと、その者の命でこの世界を侵略しようとしているのはわかっている」


風夜の問いに、神蘭は答えると、真剣な表情で花音達を見つめた。


「奴が目覚めた以上、私は奴を封印、いや今度こそ倒す。だが、その前に協力してほしいことがある」


そう言った神蘭に、花音達は顔を見合わせた。


「協力してほしいこと?」

「ああ。数百年前の戦いの時の私の部下の所へ一緒に来てほしい。そして、彼等を助けてほしいんだ」

「助けるって、そいつらは今、どうなってるんだ?」

「彼等は、私と窮姫の戦いの際、奴の部下と戦い・・・、今は暗い異空間の中、氷の中で眠っている」

「・・・でも、助けるって言っても、何処にいるかわからなければ・・・」

「場所なら、わかっている!ただ、私にはそこに行く方法がない」


光輝の言葉を遮り、そう言った神蘭に、花音が刹那を見ると彼は頷いた。


「確かに、場所がわかれば、俺が其処へ連れていくことは出来る。でも、それだけじゃ、駄目なんだろ?」

「ああ。彼等を異空間に飛ばしたのは私だが、氷の中に閉じ込めたのは窮姫だ。だから、私に氷をどうにかすることは出来ない。だが、氷の一族なら、他人が造り出したものでも何とかなるだろう」

「・・・まあな」

「それと」


凍矢の反応を見て、神蘭は次に花音と光輝を見た。