花音と風夜が連れて帰った少女が目を覚ましたのは、その日の夜だった。


「・・・・・・」


少女の目の前に置いた料理がものすごいスピードで次々と消えていく。


「す、凄い食べっぷり・・・」

「なんか、見てるだけでお腹一杯だよ」


琴音と美咲が呟いたとほぼ同時に、やっと少女の手が止まった。


「ふぅ、食べた、食べた。・・・ん?どうした?食べないのか?」


見ているだけだった花音達に、少女が言う。


「あはは。なんかあまりに凄い食べっぷりだったからね」

「すまない。何せ、食事をしたのは数百年前でな」

「数百年前!?」

「って、お前、一体幾つだよ?っていうか、何者なんだ?」

「私か?私は、神蘭。窮姫との戦いから、数百年。眠りについていた」

「窮姫って・・・」

「あの、女の名前か!?」


神蘭の言葉に、花音と紫影が反応すると、神蘭はスゥと目を細めた。