「それにしても、驚いたね」

「ん?」

「まさか、聖ちゃんと紫影くんが姉弟だったなんて。でも、納得したかな?」


紫影の話の後、散歩に出た花音が呟くと、ついてきていた風夜が聞き返してくる。


「納得って、何がだ?」

「ふふ、ちょっとね」


風夜にはそう返して、宝珠を取りに行った時の聖の様子を思い出す。

それを不思議そうに見てきた風夜に、その時のことを話そうとした時、一人の男が慌てたように走ってきた。


「あの、何かあったんですか?」

「あ、ああ。街の外で一人の女の子がよくわからない奴に襲われてるんだ。街に近いから、光輝様に報告して・・・」


男性の言葉が終わらない内に、花音は走り出す。


「花音、待て!一人で行くな!」


後ろから慌てたように、風夜が追ってくる。

そのまま走っていくと、一人の少女と少女を囲む翼を生やしたもの達が見えてきた。