「・・・俺は反対だ」

「反対って・・・」


そう言った光輝に、花音は困ったような表情をする。


「俺も。そいつと二人だけで行動するのを許すほど、そいつを信用してるわけじゃない」

「もし行くなら、他に誰か」


光輝に続くように言った夜天と雷牙に、花音は口を開いた。


「って言っても、琴音ちゃん達は向こうの世界へ行くんでしょ?光輝達は、ずっと閉じ込められてたんだし、あまりいい状態じゃないでしょ」

「なら、俺が」

「風夜も駄目。最近、無理しがちだったんだから、休める時にちゃんと休まないと」

「じゃあさ、私達が戻ってきてからじゃ駄目なの?」

「もう・・・、そんなに心配しなくても。ね、紫影くん」

「でも・・・」

「花音、ちょっとこっち来い」


再び心配そうに美咲が声を上げた時、それまで黙っていた刹那が花音を呼んだ。


「何?刹那くん」

「どうしてもというなら、これを持っていけ」


そう言い、小さな玉のようなものを取り出す。


「これは?」

「その中に、俺の力を入れておいた。時を操る力と、空間を操る力を一度ずつ使えるようにしてある。・・・もしもの時に使え」

「うん。・・・ありがとう」


刹那にそう返すと、花音は貰った玉を大切にポケットの中へしまった。