「はい。これでもう大丈夫」

「すごい。美咲ちゃん、そういうことも出来るんだね」


雷の国の森で休憩している最中、風夜の火傷を治した美咲に花音は声を上げた。


「うん。皆も怪我したら、言ってね」

「それにしても、本当に火焔とお前、親友なのか?なんか、さっきのお互いに殺す気満々だったように見えたけど?」

「ああ。まぁ、昔からだよな。風夜と火焔がお互いに容赦ないのは」


光輝が言ったことに、風夜ではなく夜天が答える。


「確かに。いつだったか、能力ありの斬りあいありの喧嘩があったよな。何が原因だったかは忘れたけど、空夜さんに二人して怒られて・・・、それから何があったかわからないけど、お互いに親友だっていうようになってたんだよな」


それに思い出したように雷牙がくくっと笑った。


「お、男ってそういうものなのかな」

「それより、どうするんだ?とりあえず、目的は果たしたんだろ?」

「うん。そうだね」


紫影に聞かれ、花音はそう返す。


「姉上、光の街に行かないか。休息が必要な奴もいるし、今一番安全なのはそこだろうからな」

「そうだね。そうしようか。皆もそれでいいかな?」


花音がそう言うと、全員が頷いた。