光の少女Ⅱ【救出編】


水の国に入った花音達は、紫影の能力で意識を失わせた風夜達を連れ、水の国の兵士達と歩いていた。


(陰の一族に協力しているのは、本当だったんだ)


ところどころで見る陰の一族と、水の国の人々が普通に話をしているのを見て、花音は俯く。


「花音ちゃん、あれ」


俯いたまま歩いていた花音は、美咲の声に顔を上げ、彼女が見ている方を見る。

すると、此方を見ている聖と火焔、水蓮、大樹の姿があった。


「・・・さすが紫影ね。ちゃんと、捕まえてきたのね」

「・・・ああ」

「ふふ、じゃあ、その子達もあの三人と同じ牢へ入れておいて」


聖の声に当たり前のように従った水の国の兵士が、花音達を連れていこうとする。


「花音!」


何か言いたげな火焔達から視線を逸らし、そのままついていこうとした時、紫影の声がして彼を見た。

紫影は名を呼んだ以外、何も言わなかったが、その目で〈後で助けに行く〉と伝えてきていて、花音は一つ頷くと兵士達についていった。