「でも、全員が普通に歩いていたら、怪しまれないか?」

「確かに。少しは抵抗したようなあとがないと、おかしいかもね。よし」


星夢がそう言って、風夜、凍矢、刹那を見る。


「貴方達三人、少しくらい怪我してくれない?」

「はっ?何で俺達が?」

「何?それとも、男のあんた達が無傷で、私達に怪我しろと?」


不満そうな声を上げた凍矢に、琴音が声をあげる。


「まぁ、そんな怪我にこだわらなくても。意識を失わせるだけで充分だろ」

「そっか。そうだよね。じゃあ、入る時は男子三人をよろしくね」

「・・・そこは譲らないんだな」


にっこりと笑った美咲に、刹那が肩を落とした。


「と、とにかく行こう」

「そうだな。飛竜達は、此処においていこう」

「ピィ?ピィー!」


風夜の言葉に、他の飛竜達とじゃれあっていた白亜が慌てて飛んできて、花音の肩に止まる。


「ピィー、ピィー!」

「どうしたの?もしかして、一緒に行きたいの?」

「ピッ!」


肯定するように鳴いた白亜に、思わず苦笑する。


「仕方ないか。その代わり、大人しくしてるんだよ?」

「ピッ!」


離れないというように肩に強くしがみつく白亜に言うと、わかったというように鳴いた。