地面に掘られた穴に親が埋められるのを、じっと見ている子竜に花音は近付く。


「ねぇ、あなたも一緒に来る?」

「ピィ?」


子竜が花音を見上げる。


「皆もいいよね?」

「うん。私はいいよ。可愛いと思うし」


琴音が言い、他の者達も頷く。


「ね?行こう」


にっこりと笑った花音に、少し考えるような素振りを見せた後、子竜はすりよってきた。


「ピィー、ピィー!」

「あはは、くすぐったいよ!」

「ピィ、ピィ!」

「そうだ、名前付けないと!」

「ピィ?」

「そうだね・・・、白亜・・・、白亜にしよう。ね、今日からあなたは白亜って呼ぶね」

「ピィ!ピィーー!」


花音の言葉を理解しているのか、どこか嬉しそうに名を付けられた子竜が飛び回る。


「おい、花音。そろそろ行くぞ」

「あ、うん。白亜、おいで!」


風夜の声に、花音は白亜を呼ぶと、彼の所へ行く。


「しっかり掴まっててね」

「ピッ!」


花音の肩に掴まった白亜に声を掛け、自身も風夜の腰に手を回す。

目指すのは、夜天達が捕まっている水の国だった。