「やった・・・!うまくいったよ、風夜!」

「お、おい!」


正気に戻って去っていく火竜を見送り、息を整えていた風夜に思わず抱き着く。それに風夜は少し慌てていたが、花音はそのまま続けた。


「お疲れ様。・・・二人もありがとう」

「うわっ!?何これ?」


凍矢と紫影にそう言った時、驚いたような美咲の声がした。


「此処だけ、何だかあちこち焼けてないか?」

「飛竜達も落ち着きなかったし、何かあったの?」

「それに、花音は何くっついてるわけ?」

「えっ!?わわっ、ごめん!」


星夢に言われて、まだ風夜にくっついたままだったことに気付いて、慌てて離れる。


「・・・怪しいなぁ。本当に何もなかったの?」

「あははっ、本当に何もなかったよ」

「ピィ、ピィー・・・」


じとっとした目で見てきた美咲に返した時、飛竜の子の悲しげな声が聞こえてくる。

動かなくなった母親と寂しそうに見ている子の竜を放っておくことは出来なかった。