キンコンカンコーン


授業終了のチャイムが鳴り、花音は溜め息をついた。


(・・・やばいな。授業もかなり進んでたから、全然わからなかった)


ずっと休んでいた花音に気を使ってか、当ててくる教師はいなかったが、それも数日間だけだろう。


(帰ったら、頑張らないと!)


「あれ?もう帰るの?」


荷物を纏め、立ち上がったところで、梨沙が声を掛けてくる。


「う、うん。暫く、学校に来てなかったから、頑張って追い付かないと」

「そっか。・・・ん?」


そこで何かに気が付いたように、飛鳥が声を上げた。

「どうしたの?」

「珍しいね。花音がそんなペンダントしてるの。それに・・・」

「そのブレスレットも、綺麗だねー」

「確かに。アクセサリーなんて、前はつけなかったのに」


飛鳥に続けて、未央と梨沙が言う。


「・・・うん。・・・今の私にとって、御守りのようなもので、大切なものなんだ」

「・・・そう」


花音がそう答えると、三人はふと視線を交わしあう。

それに首を傾げた花音は、時計を見て、慌てて荷物を持った。


「ごめんね、寄りたいところもあるから、もう帰るね。・・・また明日」

「うん。また明日ね」


そう返してきた未央達に手を振ると、花音は教室を出た。