「皆・・・、どうして?」

「どうしてって、行くんでしょ?私達もついていくよ」

「えっ、でも」

「言ったでしょ?協力するって」


言って、梨沙が風夜を見る。


「それで、彼は元に戻ったの?」

「ああ。おかげさまでな」

「ところで、さっき大丈夫って言ってたけど、向こうに行く方法があるの?」


花音の言葉に、彼方が笑みを浮かべる。


「前に言っただろ。俺は、時と空間を操れるって」

「そうそう。日向君は、何処にでも空間を繋げることが出来るから、何処にでも出られるんだよ」

「問題は、何処に繋げるかだけど」

「それなら」


蒼の言葉に、また別の声がした。


「紫影君!?」

「お前が此方に来るときに使った門がある場所。そこにするといい」

「ってそこ、花音達が変な女に襲われて、ばらばらになった場所でしょ。大丈夫なの?」

「ああ。・・・陰の一族の上層部は、風の国に撤退済みだ。それに、光の一族の地に、下位の者は入れないから、行って直ぐに襲われることはない」

「その言葉、信じていいんだな?」


蒼が、紫影を見る。それに答えたのは、目を閉じ、能力を使っていた飛鳥だった。


「・・・大丈夫。嘘はついてないみたいよ」

「じゃあ、行こ・・・」

「「花音!」」


花音の声を遮るように、男女の声がする。

見ると、花音がいないことに気付いたのだろう両親が此方に向かってきていた。