「ああっ!?未央ちゃん、何するの!?」

「・・・もう無理だ」


答えたのは、妨害してきた未央ではなく蒼で、その手には氷で造った剣を握っていた。


「無理って、何が・・・」

「彼奴を元に戻すのがよ」

「もう、彼奴を止めるには倒すしかない」

「そ、そんなことないよ!だから、もう一回・・・」


梨沙と彼方の言葉にそう返す。


「・・・いや、無理だ」


紫影の声がして、彼の方を見る。


「お前だって、わかっただろ?術を掛けた奴は、今のお前より遥かに強い力を持っている。元に戻すのは・・・」

「そんなことわかってるよ!でも!!」

(諦めるなんて出来ない!・・・諦めたくないよ!)


そう思いながら、風夜を見る。彼は、手に力を溜めているところで、花音はそれが放たれる前に走り出した。